News

2020Nagano Fledge(ナガノ フレッジ)を開催しました

2020.12.08

11月3日~7日までNagano Fledge(ナガノ フレッジ)イベントを開催しました。
今回は、4日のオープニングイベントの様子をお届けします。


【目次】

1.Nagano Fledge(ナガノ フレッジ)とは

2.出展ブースの様子

3.特別講演:Niantic,Inc. Tokyo Studio 代表 野村達雄氏

-Niantic社は、課題にチャレンジしやすい環境

-拘束した時間を少しでも返す

4.事例発表・パネルディスカッション

5.まとめ


1.Nagano Fledge(ナガノ フレッジ)とは

コロナ渦による、テレワーク(リモートワーク)の増加に伴い、急速にWebミーティングツールが活発化している昨今。
私たちの生活の中でもITに関わることが増えてきました。
長野という地方にいても、様々な人と関わり・仕事を可能としている現在、企業、そして個人でできることは何なのでしょうか?

また、「DX」という言葉を耳にすることも多くなってきました。
DXはデジタルトランスフォーメーションの略で「データ及びデジタル技術を活用して、人々の生活をより豊かにする」ことを指します。
DXによって、長野の企業と地域がどう進化していくのか。長野で拠点を置く企業やゆかりのある方々の話を直に聞くことができます。

Nagano Fledgeは、県内の様々な機関で実施するコンテストや実証事業の成果発表等を、特定期間に集中的に実施することで、信州ITバレー構想で目指す「IT人材の育成・誘致・定着」や「ITビジネスの創出・誘発」等を促進することを目的に、県及び信州ITバレー推進協議会(NIT)主催で今回初めて開催されました。

長野を、「ITを上手に使える人たち」が集う街にしたい。長野から、「ITを上手に使える人たち」を育てたい……そんな想いを共有し、体現し、応援していくイベントです。

 

2.出展ブースの様子

出展ブースには、5GやAIなどの技術を使った事例が並び、新しい技術を体験できる出展も多くありました。

多くの方が、説明や体験を受ける中、阿部長野県知事も見学に。ヘッドマウントディスプレイを着け、先端技術であるxR(VR/MR/AR)技術を体験されていました。
現実世界と仮想世界を融合させた未来のイメージ。画面の中ではどんな世界が広がっていたのでしょうか……。

 


xR(xReality)とは、「x=未知数」を意味し、すべての仮想空間技術、空間拡張技術をまとめた呼び方。VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)などを総称した表現です。

4Gより進化し、高速・大容量になった5Gの説明ブースもありました。

実際の5G環境を構築するために5G基地局車を搬入し、「5Gで創る近未来」というテーマにVRを活用したバーチャルオフィスやバーチャルデザイン環境のソリューションが展示され、注目を浴びていました。

日々、進化をしていく技術とそれを支える技術者。
新しい技術が普及し、それを当たり前のように使っていることが多くありますが、開発されている方々の努力を感じることができます。

 

3.特別講演:Niantic,Inc. Tokyo Studio 代表 野村達雄氏

オープニングイベントのひとつ、特別講演「シリコンバレー企業 Nianticの仕事に対する取組みや考え方」。Niantic社での働き方、採用の基準などベンチャー企業らしいお話を伺っていきます。

【講師】
Niantic,Inc. Tokyo Studio 代表 野村達雄氏

 

幼少期から大学時代までを長野県で過ごした野村さん。
中学から独学でプログラミングを学び、信州大学工学部卒業後、東京工業大学大学院でスーパーコンピューターの研究で高い評価を受けたそうです。世界で活躍する方でも、長野にゆかりがあると親近感を感じますね。

フレックスタイム制を導入した働き方は、とてもフレキシブル。時間を有効に活用するために、日々、様々なツールを使用しているそうです。
GmailやGoogle Drive、Google スプレッドシートを代表する「G suite」のほかにも、オンラインミーティングツール「Zoom」、コミュニケーションツール「Slack」、プロジェクト管理ツール「Asana」……その他、開発に関する多くのツールを使いメンバー間と連携を図っています。

様々なツールを使用する中で、残念だと感じるのは「日本製のツールで使用しているものがないこと。」だそうです。
日本から世界で通用するもの(ツール)が出てきてほしい。」とのこと。では、どういった点が日本と世界の違いなのでしょうか?アイディアが生まれるきっかけはどんな環境なのか、知っていきたいと思います。

 

Niantic社は、課題にチャレンジしやすい環境

人事評価の基準は、日本ではなかなか導入されていない点も多いのではないでしょうか。

年に2度の評価では、自己・上司以外にも同僚、部下のフィードバックがあり、

・同僚のフィードバックはとても重要
・上司は部下にも評価される
・難しい課題に挑戦し、それが失敗であっても評価される

プロジェクトを進めていく中で、多くの時間を一緒に過ごすのは上司ではなく同僚であり、同僚の評価が重要視されるという話は納得とともに驚きもありました。
また、日本では、課題が成功して初めて評価されることも多いと思いますが、失敗してもそのチャレンジが面白いものであったのか?どんな経験、学びがあったのか?……「失敗」が評価されるというのは、チャレンジしやすい環境であり、多くのアイディアが生まれるきっかけとなることが想像できます。

昇進については、「自身の評価値(Job Level)より、ひとつ上の仕事を継続的に行い、評価されることで昇進する。」とのことでした。

 

拘束した時間を少しでも返す

ミーティングが長引いたり、ついつい話が脱線してしまうことはありませんか?
Niantic社では、議題が終わったら、すぐに切り上げ「あなたの時間をお返しします」と伝えるそうです。その他にも以下の点は、私たちでもすぐに取り入れていくことができると感じます。

・ミーティングにかかるコストを意識する
・定例だから開催するのではなく、議題がないミーティングは避ける
・議題の中で、自分が関係しなくてもいいと分かった時点で退席する
・チャット等で済むことは、それで済ます

ミーティングや会議自体が無駄というわけではなく、時間や準備するコストを考えながら、参加するメンバーがその時間を有意義であったと感じることが大切だと思いました。

最後に、信州ITバレー構想に必要なことは、
「チャレンジする機会を設け、失敗を許容するカルチャーを浸透させること。成功例の裏には何千もの失敗があり、失敗をネガティブに捉えるのではなく、ポジティブに応援できる文化が大事。」と質問に答えてくださいました。

失敗を恐れる・周囲に隠したくなる感覚は誰しもがあると思います。それを受け入れてくれる場があれば、様々なアイディアと成功が生まれてくるのかもしれません。

 

4.事例発表・パネルディスカッション

信州ITバレー構想アンバサダーである㈱ファンコミュニケーションズ 代表取締役社長 柳澤 安慶氏をはじめ、信州ITバレー構想の推進エンジンである信州ITバレー推進協議会(NIT)の構成員による事例発表を通じて、どんな取り組みをしているのかを知ることができました。

「Society5.0時代、アフターコロナを見据えた県内産業のDX実装・ビジネス展開」のパネルディスカッションで出た内容を少しだけご紹介します。

Q:「チャレンジを受け入れる土壌づくりとは?」
A:エコシステム機能として足りないものを補うことと、若者が参加しやすい環境づくりが必要。訴えかける「抒情性」があってこそチャレンジする面白み・楽しさを伝えることができる。

Q:「新しい取り組みをサポートしていくために必要なこととは?」
A:助成金・補助金等をうまく活用し、資金を調達すること。現在の若手起業家たちは、ものごとへのスピード感もあり、自主的に勉強会を行っている。そういった場を広げ、サポートし、起業家を育てていくことが大切。

Q:「コロナ渦について、どう捉えているか?」
A:環境が一変した中、DXの必要性を改めて認識した。対策に追われてばかりの中で暗中模索になるのではなく、一度、顧客の立場で考え、何が必要であるか見極めることが重要。そこから対策の方向性や新しい価値が見いだせると感じる。

Q:「信州ITバレー構想を進化させていくために必要なことは?」
A:プレイヤーとして若手に参加してもらう必要がある。(現在は40~50代が多い)大学や地域との関りを増やすことで、そこから起業したい人を増やしていきたい。そして、サポートする体制づくりが必要。

テンポよく繰り広げられる話は、これからの長野・信州ITバレー構想の今後に必要になるものがディスカッションされていました。
何事も自分事と考え、それを見える化することで周囲に伝播させていく……そして、巻き込んでいくことが必要であると感じます。

 

まとめ

今回のオープニングイベントは、コロナ期間中ということもあり、現地+Zoom、YouTubeでのライブ配信をしていました。多くの方に参加いただき、オンラインでの質問もありました。
オンラインでのやりとりが日常化していく中で、ツールの選択、時間の使い方……様々なことを考えていくことが大切だと感じます。

イベントの最後には、「信州ITバレー構想アンバサダー」からの応援メッセージをいただきました。

㈱インフォバーングループ本社 取締役CVO 小林 弘人さんの「長野は自然が豊か」と謳わない方がいい!との言葉には、会場からも驚きの声が。
他の都道府県でも自然豊かな場所も多く、同じことを主張しています。それよりも、長野県として別にアピールできるものが必要になってくると私自身、感じています。信州ITバレー構想を通して、信州(長野県)で何が実現できるのかを明確にし、そこに自然の素晴らしさがついてきますよ!と謳ったほうがいい。それはシリコンバレーへの憧れではなく、信州独自の課題解決を模索することで見えてくるはずです。

富士通㈱ 執行役員常務 島津 めぐみさんからは「信州ITバレー構想を進めるには、中身を変えることも大事だが、例えば、このようなイベントに参加する服装もスーツでなくカジュアルにするなど、まず外身から変えていくことも大事。」とのお話がありました。最後に「長野が本当に大好きなんです!」と締めくくられた力強い言葉には、島津さんだけではなく、携わる方々の長野県の未来を真剣に考えている情熱を感じることができました。