長野県及び信州ITバレー推進協議会(NIT)では、県内IT企業のビジネス創出を促すため、令和3年度に「コンソーシアム活用型ITビジネス創出支援事業」により、地域課題解決等に繋がる新たなITシステム開発を支援する取り組みを行っております。
今回は、株式会社 TOSYSが提供するオンラインレッスン機能を組み合わせた新たなサービス「SAVREQ(サブレック)」の実証実験の様子をレポートします。
【目次】
- SAVREQ(サブレック)の実証
- どんな事ができるのか?
- 今までのサービスから進化している点は?
- 体験した感想
- 実証実験の感想・運用について
- オンラインレッスンが可能になる仕組み
- スキー場での活用方法
- まとめ
SAVREQ(サブレック)の実証 どんな事ができるのか?
SAVREQは、利用者がスマートフォンの操作をし、スキー場に設置されたカメラから利用者の滑りを撮影する事が出来る、AI・自動追尾機能を備えたクラウド型のIoTサービス。 撮影された動画は、利用者が見るだけではなく、スキー教室の指導者へ動画を共有することで、オンラインレッスンも受講できる機能を搭載しています。 「気軽にアドバイスをもらいたい」「レッスンを受けるのは恥ずかしいかも」そんな悩みを持つ利用者だけではなく、滑る時間はガッツリ楽しみ、オフの時間でレクチャーを受けられる……時間を有効活用したい方にも活用してほしいサービスです。
今までのサービスから進化している点は?
前身とも言える「ゲレロク」というサービスを大幅に強化したものが「SAVREQ」です。 従来よりも高性能なカメラとAI(人工知能)による動画解析技術を連携することで、より綺麗な映像とデジタルズームによる自動追尾を実現します。 また、オンラインレッスンを組み合わせたことで、撮影された動画に対して指導者のレクチャーを受講することができます。体験した感想
令和3年12月22日、菅平高原の裏太郎ゲレンデで実証実験を行いました。 本題に入る前に少しだけ初期設定のお話を。指定のQRコードを読み込み「録画開始ボタン」を押すだけ!操作が簡単で、手袋をしている状況のゲレンデでも操作がしやすいのは利用者にも親切だと感じました。 誰かに撮影を頼まなくても、自撮りをしなくても、ゲレンデに設置された4K高解像度カメラで撮影した動画をAIがデジタルズームで追跡し、自分自身を撮影してくれるなんて、本当にすごいですよね。

▲スタート位置で撮影画面を起動し、録画を開始
滑る直前に録画開始をタップします。あとは、滑るだけ。 普段の滑り方でも良いですし、指導者からのアドバイスをもらう前提で練習したい滑りをしてもOK!
こんな簡単に撮影が終わっているの……?と、不安もありましたが、滑り終えた後にアプリを見るときちんと動画がアップロードされていました。 こんな便利なサービスを体験できるなんて、開発されている方々に感謝ですね。

▲滑走後には録画が完了している
実証にご協力いただいた方々からも、「簡単に撮影ができている!」と驚きの声が上がっていました。 オンラインレッスンに申し込むには、マイページから動画を選択して申し込みボタンをタップするだけで、連携するスキー教室に動画と、教えて欲しいポイントなどを記載したコメントを共有することが可能です。レッスン受講料はオンライン決済を利用してスキー教室に支払われるという仕組みです。 初めにSAVREQサービスを聞いた時の私の感想は、Aiやカメラの技術は進んでいても、自分が滑っている様子を上手く追従できるの……?と、疑問もありましたが、スタート位置の通過を検知して追従する対象の人を判断してくれるようです。 ゲレンデが大混雑していたり、複数人のチームでまとまって滑ってしまうとAIが上手く判断できない時もあるそうですが、滑走エリアをある程度限定し、周りの状況を確認すれば解消できそうでした! 他の利用者さんで混雑している中で、動画を残したい……と、考える方も少ないですもんね。 何より、寒い中、様々な設定やボタン操作しなくても撮影ができ、何本もの動画を残せるので、気軽に楽しめるサービスだと感じました。実証実験の感想・運用について

▲左から、縵沢さん、津村さん、宮下さん。実証実験後に使用感や運用方法を議論
オンラインレッスンが可能になる仕組み
実際に撮影された動画を見ると、滑走中の全体の様子だけではなく、動画を拡大することで細かな身体の使い方も判断でき、鮮明に撮影されていることが分かります。

▲4Kカメラで撮影した動画をデジタルズームで拡大して追従します
スキー教室では、オンラインレッスン申込者から送られてきた動画・コメントを指導者がチェックします。
▲オンラインレッスンを申し込む様子


▲自動翻訳される様子。マイクからの音声やテキスト入力にも対応している
スキー場での活用方法
ディスカッションの中で、「講師による滑走の見本も一緒に利用者に送りたい」「バリエーショントレーニングの動画を利用者に提供したい」といった意見も上がり、より良いアドバイスを提供したい、スキー教室の熱意を感じます。 まずは、多くの方に体験していただくためのイベントや、対面レッスンが受けにくいナイターでもSAVREQサービスを利用していただきたいそうです。